東海道五拾三次之内 四日市 三重川

とうかいどうごじゅうさんつぎのうち よっかいち みえがわ

大正期の四日市

大正期の四日市「東海道(東海道五拾三次 広重と大正期の写真)」より

画面は三重川となっていますが、交通の激しい東海道での風景としては考えにくいです。旅人や草木などから強い風が吹いている様子がわかります。沼沢の地の板橋や、捨小舟を添えて、芦の葉のなびく野中の一本道で野分に合羽をとられまいとする男、笠を飛ばされ必死に追う男を滑稽に配し、旅の辛さ、人生の辛さを描こうとしたのでしょう。高度成長期を経た現在の四日市からはこんな風景は想像できません。