オススメしない本

知足美術館の学芸員Yです。

展覧会準備に奔走し、暫く時間が空いてしまいました。

このブログは美術館と無関係なことばかり綴っておりますが

「知足美術館のスタッフブログ」です!

先日はじまった展覧会はこちら 「技・ひかる」よろしくお願いします。

タイトルにもしましたが、今回はオススメしない本の紹介です。

オススメはしませんが、ディスる訳ではありません。

オススメの本(オススメはしないけど)という気持ちで紹介する本。それがこちら

 

厭な小説(文庫版)

タイトル:厭な小説(いやなしょうせつ)  著:京極夏彦

あえて帯付きのハードカバー版の表紙を紹介しますが

見ての通り「読者様、およしになったほうが…」という帯が全てを物語っております。

表紙の雰囲気から漂っているちょっと古臭そうな雰囲気、本の端が擦れて折れている汚さ

更にこの本、ページを捲ると虫が挟まれて死んでいます。もちろん印刷です。

著者は彼の有名な京極夏彦先生です(wiki)知っている方からすると納得の厭さの一冊です。

そこはかとない仄暗さ、謂れもない不安、生臭さ、対人間、対社会などありとあらゆる”厭”を詰め込んだ短編で構成されています。どうしてこんな厭なものを!!と思いながらも面白がって読破した後に残るのは精神的な倦怠感です。どうしてこんなものを・・・でもとても面白いです。

中には某サングラスの司会者でお馴染みの「世にも奇妙な物語」で実写ドラマ化されたお話もあります。

 

「厭で厭で厭で堪らなくって、それでみんな逃げ出したんだ。会社から、人生から、日常から、人間から―」(BOOKより引用)

 

途中でこの本から逃げ出したくなること間違いなし。とてもオススメです。

夏の季節にぴったり(?)のちょっとゾッとする一冊の紹介でした。

ちなみに読んで気分が悪くなったり落ち込んだりどんよりしても、一切責任は負いません。

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