展覧会情報
収蔵品による新春企画 富士山と妙高山
もう随分前のことですが、福井県の三方五(みかたご)湖を俯瞰して、その風景に感激しました。まさにそれは日本の「美しい緑、水辺、そして大地」でした。このフレーズを用いて、わざわざ新潟でNPO法人を設立しました。日本には、日本国民がめでるだけでなく、外国人も認めるさらに美しい景観がたくさんあります。
やはり、その代表は「富士山」でしょう。富士山は、地質・地形学から見ると詳しい説明が必要ですが、ここではごく一般の方に理解していただくために、富士山について簡単に述べてみます。
富士山は不二山、不尽山などとも書きます。そして、芙蓉峰とも言います。静岡・山梨県境にそびえる日本第一位の高山で、典型的な円錐状の成層火山です。美しい裾野を引き、頂上には深さ220mほどの火口があり、火口壁は剣が峰が最も高い標高3776mで、歴史上たびたび噴火しています。宝永4年(1704)の宝永噴火が現在までに最も新しい噴火で、江戸まで降灰して広範囲に被害をもたらし、宝永山を形成しました。
箱根・伊豆を含む富士箱根伊豆国立公園に指定され、立山・白山とともに日本3霊山の一つであり、世界文化遺産でもあります。なお、富士山の登山道は行程を10合に分かち、1合ごとに石室を設けて、登山者が避難・休憩できるよう便宜がはかられています。
さて、残念ながら新潟県には、富士山に匹敵する景観は存在しませんが、山としては登山ブームも手伝って飯豊山、越後三山、苗場山など、新潟県民のみならず全国的にも名が知れた山があります。中でも「妙高山」は新潟県民が最も親しみを感じる山でしょう。
妙高山は新潟県南西部にある複式円錐状休火山で、海抜2446mです。妙高山は南方の飯綱・黒姫山の休火山から北方の焼山と合い連なって、一つの火山群を形成しております。その外輪山の東部には名湯赤倉温泉があります。
このたびは「富士山」「妙高山」に画題をしぼって、限られた収蔵作品の中から日本画・洋画を展示いたしました。巨匠・大家あり、新進気鋭の作家あり、1枚1枚に作家それぞれが、特別の思いを込めて制作したものと思います。
どうぞ作家の意図するところをお汲みとりいただき、ご覧いただければ幸いです。
なお、予備展示室では薬師寺天武天皇1300年玉忌供養に高田好胤管師の提唱のもと、著名作家が奉納した散華を、木版画家徳力富吉郎が摺り上げた散華42枚を展示しております。
開催案内
- 会期
- 2024年11月25日(月)~2025年2月6日(木)
- 入館料
- 一般500円、中学生以下無料
- 休館日
- 日曜・祝日(年末年始12/28~1/5)