三浦 小平二

みうら こへいじ

【1933年〜2006年】

三浦小平二は1933(昭和8)年、新潟県佐渡市の無名異焼(むみょういやき)窯元の五代目として生まれました。1978(昭和53)年に中国やモンゴルなどアジア各国を巡り各国の磁器の研究に励むと、中国発の南宋官窯や鈞窯の青磁に影響を受けて本格的に青磁に取り組み始めます。南宋官窯の青磁の原料となる土は、鉄分を多く含むという点で佐渡の赤土(無名異土)と共通の特徴があります。それを着眼点として、無名異土を用いた青磁という独自の作品を生み出しました。

赤土を下地とした器に青磁釉をかけるという独特な技法と色絵を組み合わせ人物や風物を描く表現は、どこかユーモラスな作風であり世界的にも高い評価を受けています。1996(平成6)年には紫綬褒章を受章、1997(平成7)年には重要無形文化財「青磁」保持者に認定されました。

当館収蔵「青磁香炉 象」は、法隆寺の夢殿を思わせる流線型の屋根に象をあしらえた品のある作品であり、器面の貫入はとても特徴的です。青磁の発色がとても美しく、小品ではありますが凛とした雰囲気が漂います。

青磁香炉 象

青磁香炉 象

1992年
陶芸
W100×D100mm×H260mm

青磁孔雀飾り筒

青磁孔雀飾り筒

陶芸
W90×D90mm×H265mm

一覧へ戻る

青磁香炉 象

青磁香炉 象

青磁孔雀飾り筒

青磁孔雀飾り筒