保永堂版 東海道五拾三次

保永堂版 東海道五拾三次

歌川 広重
「広重座図」三代目 歌川豊国
東海道(東海道五拾三次 広重と大正期の写真)より

広重は、江戸末期の浮世絵の世界に新しい風景画のスタイルを作り上げ、遠くヨーロッパ画壇にまで多大な影響を与えた絵師です。幕府の火消同心の家に生まれた広重は浮世絵師の道を志して歌川派の豊広に入門しました。習作期を経て1831(天保2)年頃から名所絵(錦絵)を本格的に発表し、風景画家としての地位をゆるぎないものとしていきました。

そして1833(天保4)年に世界的に評価が高い「保永堂版東海道五拾三次」を刊行、爆発的な人気を博しました。旅の風物、人情、そして自然景観などを版画の歴史の中に永遠に残るものであります。さらに卓越した彩色や構図なども多くの人々に感動を与えています。「五拾三次」を代表とする広重は、自然の微妙な変化をとらえる風景版画の他にも、花鳥版画や肉筆画などにすぐれた詩情や季節感を見事に表現した作品を残しています。

「保永堂版東海道五拾三次」は広重の出世作といえる代表作です。版元は保永堂(竹内孫八)と僊鶴堂(鶴屋喜右衛門)の両者ですが、保永堂が後まで版元を続けていたことから保永堂版と呼ばれています。広重は、天保3年(1832)八朔御馬進献(毎年8月1日に幕府が朝廷に駿馬を献上する)の行列に同行して上洛した時の道中印象スケッチ日記をもとに刊行したものです。天保4年(1833)に着手し、天保5年(1834)に完結しました。大判全55枚です。ヨーロッパの遠近法を活用し、そのテーマの中には雨・雪・霧・風といったように季節を感じさせるものや、朝・夕暮れ・夜といったように深い旅情を誘う場面など、日本人の孤独の季節の美を愛する感受性をうまく取り入れることによって全体の構成を創造しています。

 

東海道の宿場
東海道の宿場

 

書籍:東海道(東海道五拾三次 広重と大正期の写真)

書籍:保永堂版 東海道五拾三次 広重

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