知足美術館コレクション

祝 林恩

しゅく りんおん(1937 - )

中国 吉林省 徳恵県 出身

知足を書く祝画伯
「知足」を色紙に書く祝林恩さんご夫妻(平成10年11月)

1958年東北美術専門学校卒業。国家一級美術師、教授、中国美術家協会会員。専門は西洋画と中国画。ユニークな個人風格を持っている。近年画家が創立した「都市山水画」は今迄未開墾の方舟である。都市建築を中国絵画に導入し、現代人の感情を融け入れ、自己独特で鮮明な芸術風格を形成した。作品は主に古典建築を表現している。形式構成を重視し、「濃墨重彩、中西結合」したので、伝統的審美価格を保つ一方、現代的新味も加わっている。1987年北方都市山水画派を創立。1990年台北で「祝林恩山水画展」開催。1992年北京と香港で「国画展」開催。1996年カナダで「祝林恩彩墨画展」開催。カナダ芸術機関から「都市山水画」創新賞受賞。1997年シンガポール新神洲芸術院高級芸術顧問。バンコク中国画院高級芸術顧問。1998年知足美術館で個展開催。

祝林恩さんについて

政府開発援助や技術交流、ビジネスを含めて、私はここ二十年位の間中国へ行ったり来たりで、その回数が数十回になる。中国というより新潟との姉妹都市でもある哈爾濱といった方がよいかも知れないが。

祝林恩さんとの出会いは、実は奥さんである徐智雁さんが先である。奥さんは哈爾濱市中山路に面した官庁街の中にある天鵝飯店内の大きな画商で、画師として勤務している。私は哈爾濱へ行く度に暇を見つけて、黒龍江省出身の大家、于志学さんの絵を探しにその店へ行く。徐智雁さんは表装をしていない絵を金庫から取り出し、一、二点を大切そうに見せてくれる。そんなひやかしをしているとき、目に止まったのが祝さんの絵である。伝統的な水墨画と異なり、色彩豊かであり、眺めても楽しいし、面白い。少々値切って数点求めると、嬉しそうに片言の日本語で話しかける。話をしているうちに、私が少々美術に興味を持っていることを分かってくれた。それから昵懇になり、哈爾濱を訪ねる度に、何回かご夫妻で私の常宿である中央街の馬迭爾賓館を訪ねて下さったそうだが私が留守で会うことができなかったらしい。

その後、しばらくして、哈爾濱を訪れた際、私を自宅へ招待して下さった。話し込んでいくうちに、日本で個展がやりたいらしいことがわかった。私も祝さんの絵が好きだし、素朴で飾り気のない人柄も好きだ。是非希望を叶えてあげたい。開催という共通点では双方いうことなしだ。数年前、祝さんがカナダで開催した個展と同様の方法で開くことに話がまとまった。内容で少々理解しにくい点はあるが、アバウトな私の性格にはちょうどよい。これも日中友好交流だ。

祝さんの絵はいわゆる水墨画の一歩先を歩む。メルヘンチックであり、ほのぼのとしている。明るさがあり、温かさがある。好みもあるだろうが、厳寒の絵も大家于志学さんのように線が強調されすぎていないせいか、寒さを感じさせない。むしろ、温もりすら感じさせるのだ。そして一筆一筆、丁寧に描き込んである。ほぼ六十センチメートル程度の正方形の絵は、どこに掛けても不思議にマッチする。
さて、話は変わるが、祝さんご夫妻は日本によくあるいわゆる似たもの夫婦である。現在の女性上位の中国とは著しく異なり、古来からの日本の亭主関白ぶりを奥方の前で発揮する。生真面目な性格ではあるが、結構我がままでもある。威張る亭主を奥方は長年連れ添った経験を生かし、子供をあやすように上手にあしらう。わきで見ていて、ついほほえましくなる。

哈爾濱の有力な地方紙を発刊する黒龍江日報社を最近退休し、画家として専念しているが、年齢からしてもまだまだ将来が楽しみな人材である。

新潟県・黒龍江省友好提携十五周年、そしてその先達となった新潟県日中友好協会の創立二十周年にあたり、何かできないかと考え、このたびは知足美術館として企画したものである。祝さんの人柄がにじみ出た非常に親しみやすい絵であり、新潟の人々にも好まれるものと思われた。
その後、前述のように平成十一年、十三年の二回、新潟三越で個展を開催し、祝林恩ファンが新潟に増えた。開催にあたり、新潟県日中友好協会、新潟・哈爾濱市民の会などのご支援を頂いた。

「知足美術館おぼえがき」より

収蔵作品

松鼠図 彩墨画 670 × 455mm
新発田城小景図 1999年 彩墨画 630 × 630mm
海涛図 新潟海景 1999年 彩墨画 1350 × 680mm
五花山秋韻図 2000年10月 彩墨画 1350 × 665mm
晴霞図 2010年 彩墨画 1370 × 698mm
北大荒農家 1993年 彩墨画 625 × 665mm
當頚紅図 1998年 彩墨画 340 × 348mm
江辺小景図 1996年 彩墨画 680 × 695mm
京都仙洞御所南庭園 2001年 彩墨画 690 × 550mm
京都平安神宮 庭園観蓮図 2001年 彩墨画 550 × 690mm
塞北初雪図 1996年 彩墨画
佐渡島金北山図 2001年 彩墨画 1698 × 875mm
佐渡島尖閣湾図 2001年 彩墨画 1367 × 677mm
猴年大吉 2004年 彩墨画 455 × 695mm
新発田城之晨 2001年 彩墨画 690 × 550mm
秋水鹿鳴図
秋水鹿鳴図
1998年 彩墨画 1580 × 790mm
初春図 1999年 彩墨画
晨曦図 -朝焼け- 1999年 彩墨画 628 × 628mm
住宅図 2000年 彩墨画
盛夏図 1998年 彩墨画 670 × 670mm
千里湖山秋図 1994年 彩墨画 343 × 340mm
太陽島上的老屋 1996年 彩墨画 677 × 692mm
太陽島上的人家 1995年 彩墨画 675 × 665mm
知足 1998年 242 × 272mm
知足美術館
知足美術館
1999年 彩墨画 808 × 628mm
秋到長白山 1994年 彩墨画 595 × 965mm
鶴立荷塘 1998年 彩墨画 343 × 352mm
奈良春日大社図 2001年 彩墨画 688 × 548mm
奈良東大寺晨図 2001年 彩墨画 888 × 957mm
新潟県政記念館之秋図 1999年 彩墨画 1358 × 687mm
日本海夕日ライン 2001年 彩墨画 690 × 550mm
初晴図 1999年 彩墨画 633 × 633mm
繁花時節記新潟旧県会議事堂 1998年 彩墨画 690 × 670mm
万代橋朝霧図
万代橋朝霧図
1999年 彩墨画 1680 × 840mm
万代橋彩雲図 1999年 彩墨画 1193 × 414mm
万里長城図 2004年 彩墨画 690 × 1350mm
道口雨景図 1999年 彩墨画 633 × 628mm
童年 -幼少の思い出- 2002年 油彩 530 × 455mm
落日時的万代橋 1999年 彩墨画 693 × 543mm
蓮華 2001年 彩墨画 1340 × 1360mm
吾唯知足 1998年 242 × 272mm

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2017年 絵画の中の女たち

館長の独り言

吾唯知足〜われただたるをしる〜